「がんセンター」とは、がん専門の医療施設のことを言います。
がんセンターという名称の施設は国内にたくさん存在しており、がんを診療するための中心施設として、さまざまな役割を担っています。
例えば、がんに特化した高度な医療の提供を始め、地域の医療施設と連携した医療体制の確立や、情報の発信、そして医師の育成などといった、たいへん重要なものです。そのため、がんセンターで働く看護師にも、がんに関する専門的な知識が求められます。
国立がん研究センターや県立がんセンターなど、がん診療を専門にしている施設では、治療だけではなく、研究も行われています。希少がんと呼ばれる症例の少ないがんの治療法や、新薬がどのくらい効くのか、安全に使えるのかを確認するために臨床実験などを行うことで、データを収集してより有効な治療法を求め続けているのです。
がんセンターで受診するには、通っている病院の主治医からの紹介状が必要となります。
紹介状が無い場合は受診を断られたり、受診できても「初診時特定療養費」という200床以上の病院に紹介状なしで初めて受診した場合に徴収される料金を払わなければなりません。スムーズに診察を受けるためにも、紹介状以外に、がんの診断を受けるに至った根拠となる検査データなども持参すると良いでしょう。
また、がんセンターではなくても、がん診療連携拠点病院と呼ばれる病院では、がんセンターから有効な薬や治療法に関する情報が共有されるため、症例数の多い標準的ながんであればしっかりとした治療をうけることができます。がんの専門的な治療を求めて遠方のがんセンターへ通うよりも、体力や経済面での負担は軽くなるでしょう。